昭和を代表する家事評論家、西川勢津子が指南するミセスのための家事心得帖。玄関、台所、寝室の整え方、家電の選び方、インテリアのすすめなどかゆいところに手が届く構成で、こういう本が昭和の主婦たちの強い味方になったことは想像に難くありません。現代からかけ離れた項目もありますが、今から見ても参考になるページがほとんどで、家族が居心地よく暮らすための知恵と技術=家事というものの真髄を、丁寧にひもといた読み応えある内容です。やればやるほど奥の深い家事の世界を昭和のミセス本から見る一冊。往年の文化出版局らしいデザインもやはり魅力です。ダストジャケット背表紙上部に破れあり、他経年相応のくたびれはみられますが、概ね古書として標準的な状態です。