代表作『鴉』、水中カメラを使用したポートレート『bukubuku』など、鮮烈な作品を遺し2012年に他界した写真家、深瀬昌久。自身の飼い猫の写真集を再構成した『Afterword』が今秋、出版されたばかりですが、その元になった『サスケ、いとしき猫よ』と同年に刊行されたのがこちらです。
被写体は同じく氏の飼い猫、サスケとモモエ。野原を駆け巡り、じゃれ合う2匹。日々の記録のようであり、また二重露光による幻想的な写真も織り交ぜながら、花、里、夢、街、友、私の6つの章から成り立っています。無邪気な猫の姿を観察しながらも、合間には猫の野生さ、捉えどころの無さを写したカットを差し挟んだ本書。頁を捲る手を止めさせる写真に、改めて氏の眼差しの鋭さを実感します。
経年によるシミ等の劣化はありますが、写真部分は問題なく、古書としてはごく標準的な状態です。破れた状態での帯つき。事前にご了承下さい。