左京区北白川、壁から突き出た軽自動車がトレードマークのガケ書房。11年の歴史に幕を閉じ、現在はホホホ座と名前を換え、やたら本の多いお土産屋、編集グループとしてこれまで以上に広い分野で活躍を続けられています。元ガケ書房店主山下賢二初の単著が夏葉社から刊行されました。ガケ書房以前の半生と、ガケ書房の日々が痛いほど正直に綴られ、私たちが想像する書店主エッセイの域を遥かに超えた面白さが詰まっています。
新刊書店、古書店、印刷会社、編集者。出版の上から下までを経験した山下さんの経歴だけをみればガケ書房が出来上がったことが必然に思えても、その実は字面でみるほど綺麗なものではなかったとわかります。ガケ書房を知る人はもちろんのこと、これから本屋をやりたいという方や、自分が何をしていいかわからないという若者にもきっと響きます。青春小説を読んでいるような、誰しもに刺さる一冊。
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