きっかけは蚤の市で出会った図鑑。眺めているなかで、本来鳥が描かれた箇所が切り抜かれている事に気づいた作者は、その事がまるで本という檻からの解放に思えたそう。そこで残りのページも同様に切り取り、まるで元いた場所に還すように、森の中で撮影、編纂したのが本書です。
木々の上で、羽根を休めている鳥の姿を模した紙片たち。クラシカルな雰囲気漂う細密画と、自然との対比を一定のトーンで瑞々しく写真に収めました。折りに触れて見返したい、静かな写真集。森の奥で聞こえる羽ばたきやさえずりへ、ゆるやかに私達を導いてくれることでしょう。
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