東宮御所やホテルオークラなどの設計者としても著名な建築家、谷口吉郎のエッセイ集が入荷しました。師、伊藤忠太からの勧めで、1938年から1934年までの一年、ドイツへ建築視察へ向かった彼の建築をめぐる随想であり、戦前のヨーロッパ建築の風景が浮かびあがってきます。ナチスの台頭と共に、めぐりめくヨーロッパ各国の情勢の変化についての記述もあり、建築エッセイでありつつ、また歴史についてのエッセイでもあります。装幀、本文中のカットも著者自身によるもので、静謐な美しさの漂う一冊です。特筆すべきダメージ等ございません。
著者：谷口吉郎 / 中央公論美術出版 / 158�弌�194�� /234P /ビニールソフトカバー /1979年再版 / G
