元祖ものしり博士こと、渡辺紳一郎が新聞記者としてフランスにいた頃をもとに書かれた巴里にまつわるあれこれを中心とした断想的随筆集ではありますが、
『これは、絵・佐野繋次郎、文・渡辺紳一郎で、佐野君の画集とすれば、渡辺の文は、その説明であり、紳一郎の巴里風物誌とすれば、佐野君の六十枚のスケッチは、その挿画ということになる』
と著者自身もあとがきで述べるように、パラパラとページをめくっただけでも、佐野繋次郎の挿画のヴォリュームに驚きます。佐野繋次郎の手がけた本のなかでも特に小粋さを感じさせる一冊です。経年によるヤケございますが、線引き等なく、古書として普通の状態です。
著者：渡辺紳一郎 / 東峰書房 / 135�弌�189�� /226P /ハードカバー /1955年発行 初版 / G
