一乗寺から南下し、銀閣寺近くの浄土寺にゆったりとお店を構える「植物とコーヒー」のお店へ。住宅に囲まれ、うっかりすると見落としてしまいそうなほど、人々の暮しの中に自然に溶け込んでいます。

第十一回 「田中美穂植物店コーヒショップ」さん

2006年7月にオープンした「生活館」の準備にあたり、ディスプレイ用の植物を揃えていただきました。店内にはウエキやドライフラワーを創作したようなオブジェ、古道具も。一足入ると店主の趣向がよく伝わります

(INTERVIEW 堀部篤史 /
TEXT BY 椹木知佳子)
2007/1/18



トタンを壊して作ったという窓。光が差し込み、植物の葉や実のシルエットが綺麗。


棚もすべて手づくり。浅めの棚にポツポツと並んでいます。ドライフラワー入りの瓶にも注目。


無作為に並べられたジャパニーズヴィンテージのお皿や木の実、ドライフルーツなど。売り物なんだか分からない物が混在しているところが良いです。


おすすめの「ノキシノブ玉」。常緑なので年中緑だそう。「他には無いのでイチオシです」と田中さん。 ベランダや窓ぎわに吊るして飾りたいところ。
(大)1000円 (小)800円

こちらはいつ頃オープンされたのですか?

( 以下、「」内は田中美穂植物店コーヒショップ店主、田中さん )

「今年4月で3年になるので2004年4月からですね」

− オープンの経緯は?これまでどんなお仕事をされていたのでしょうか?

「これまで仕事はあんまり...(笑)短大を卒業後、喫茶店に勤めてみたり大工さんや的屋さんを手伝ってみたり。ここもオープンまで1年くらいダラダラ内装なんかの準備をしていました。家が植木屋をしているのですが、弘法さん(*1)や天神さん(*2)に出店してるんですよ。それを半ば強制的に手伝わされていました。今でも21日と25日は毎月店を休んで、親の仕事を手伝っているんです。」

− コーヒーはオオヤコーヒーさん焙煎の豆を売られていますね。

「昔オオヤさんが喫茶店をされていた時、そこでアルバイトしていたんです。お豆の焙煎もされるようになったので、そのつながりでお願いしました。」

−もともとここは何の建物だったのですか?

「コロッケ屋さんだったそうです。揚げ物屋さんですかね。閉店してからかなり空いていたようようです。最初入った時は油でベトベトででした。その後壁をぶち抜いたり、トタンだった壁も全部窓にしたりして。」

− 内装も全部ご自分でされたのですか?

「いえ、デザインはオオヤさんがしてくれました。前にオオヤさんがKATI(*3)というタイ料理レストランの内装の仕事をされた時、ちょっと手伝わせてもらったんです。専門的な事は何にも知らないんですが、切ったり着けたりの日曜大工程度の事はします。あとは色々な人達に手伝ってもらいました。」

− 「植物とコーヒショップ」って独特ですよね。

「『植物とコーヒーのお店』っていうのは最初から決めてたんです。今まで親の仕事を手伝ってきた中で『自分ならもっとこういう風に見せたい』という思いがありました。例えば売れ残った植木があって、そのまま育っていくと縦に伸びていくんです。そういう縦長い形が好きとか。横にボサボサに伸びていく自然な姿を見るのもいいなと思って。鉢を入れ替えてみたり、切花にしたり。」

− 面白いですよね。植物をただ売るのではなく、楽しみ方のスタイルまで教えてくれているようで。

「今は親が仕入れている植物の中で気に入ったものを選んで、色んな形にしています。ただこういう物ばかりだと偏るので、表に出ているものは一般的に楽しんでいただける植物などを置いています。」

−展示会などは開催されないのですか?

「ここではした事があります。(*4)その時は『ptitek(ぽちてっく)』(*5)という木の家具工房さんと一緒に展示会をしました。スツールとかスプーン、家具を展示してもらったんですが、うちではその作品の材料になる木を集めさせていただきました。そのうちひょろっとした植物ばかり集めた展覧会とかしたいんですが。」

−ディスプレイが面白いですね。鉢とか古道具はどこで集めるんですか?

「鉢は植木の市なんかでちょこちょこと集めています。天神さんなどでも買います。」

−古本も置いてありますね。

「この間恵文社さんの古本市で植物図鑑の本を買いました。古い植物の本の写真とか、カッコイイものが多いですね。ただ古本は売っていいものなのかどうなのか分からないのであまり置いては無いのですが。」

− お客様はどんな方が多いですか?当店では生活館オープン時にディスプレイ用の植物をお願いしましたが、お店を経営されている方も多いのでは?

「近所の方が多いです。偏っているからか、鮮やかな感じが無いので30歳半ばからお年寄りまで。お店の方はたまに来ていただきます。猫町さん(*6)、草星さん(*7)、つばめさん(*8)も。あまり観賞植物と言われる室内に置けるような植物はあまり無いのですが。」

− この季節におすすめのものはありますか?

「時期的にはツバキなどですが、最近頑張って売れたらいいなーと思っているのはノキシノブ玉です。シダ科でもともと木にへばりついているもの。それをこのような形に吊るしています」

− 最後にメルマガを購読されている読者の方々に一言お願い致します。

「恵文社さんからは少し離れているのですが、自転車でお越しいただける範囲なので是非ご来店を」

小さなお店だとなかなか入りづらい方もいらっしゃるかもしれませんが、店主の田中さんが気さくな笑顔で迎えてくださいます。最近、若くしてお店を持たれる方はお店作りから自分で手がけられる方が多いなと改めて感じました。学校を卒業したら就職というわけではなく、色々なところで学んだ事がお店作りに反映している事も印象的でした。生活館の植物はほぼこちらで譲っていただいたもの。好みの植木鉢が多いので、毎回どんなものが入荷しているのか楽しみです。当店からは少し遠いですが、自転車で行ける距離です。レンタサイクルで左京区巡りをしている皆様、是非こちらへも足を運んでくださいませ。

*1 弘法市:東寺弘法市。毎月21日。
http://www.touji-ennichi.com/
*2 天神さん:北野天満宮で行われる縁日。毎月25日。
http://www.kitanotenmangu.or.jp/
*3 kati:河原町丸太町にあるタイ料理レストラン。味は勿論、内装の可愛らしさも含めて人気です。
近々移転予定。お問い合わせの上、お出かけ下さい。
http://www.thaicafe-kati.com/index.html
*4 ぽちてっくてん その1:2005年9月12日〜10月2日(日)開催。DM画像参照
*5 potitek:potitekのポチは「点」と書くそうです。空間の中のこぎみよい小休止、小さいけれど確かなもの、「。」ではなく「、」として他のものとあり続ける家具を目指している。
http://www.potitek.com/
*6 猫町:萩原朔太郎の小説「猫町」から名付けたグリル&カフェ。とにかく美味しい!
*7 草星:河原町丸太町を北に上がった「荒神口」付近にある器のお店。 ブログも要チェックです。
http://www.kusaboshi.com/
*8 つばめ:ご近所のカフェ。定食が美味しいです。第一回目の「お店探訪」もご覧下さい。

         

 

ペーパーバッグ 200円

オイルペーパーのバッグに、ゴム版画でプリントしています。版画の型は手製。味のある文字で書かれたタグもすべて手づくり。「暇だから」と言ってクリスマス用オーナメントなども器用に作ってしまわれるようです。

 

 

   
 

 
 

田中美穂植物店コーヒショップ

606-8404
京都市左京区浄土寺下南田町37-4
TEL なし

※詳しい行き方
銀閣寺が位置する「今出川 + 白川通」の交差点を南に下がる。24時間スーパー「フレスコ」が見えたら反対側道路の道を東に入る。一つ目の角、左手に見えてきます。

営業時間 10時〜18時
定休日 火曜日、毎月21日、25日

 


 

 

 

 
       
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