大正の時代から約20年の時をかけて、柳宗悦が日本中の手仕事や民藝を採集し記録した、貴重な書の文庫版。日本は優れた手わざを有する「手の国」であり、その手仕事の美しさ貴重さはかけがえのないものである、との理念のもと著された本書は、敗戦後の日本が自国の美を新たに見出す手助けとなり、またその思想は今もなお多くの日本人を動かしています。登場するのは「火鉢」「飯椀」「行李」「錠前」など、土着の産業であり各地の誇る手仕事ばかり。そこに、芹沢けい介による小さくも見事な解説図が添えられ、本編をより美しく味わい深いものとしています。機械にできて手にできないこともあれば、手にしか、特に日本人の手にしか成し遂げられないものもある。「民藝」の名付け親・柳宗悦が贈る、日本の美と暮しの知恵への敬意があふれた、忘れてはならない名著です。